全国災害ボランティア議員連盟
視察報告2 岳温泉民間放射線測定所
市民放射能測定室
NPO法人TEAM二本松理事長 佐々木道範 氏
<視察記録>
・市民レベルで試行錯誤している人たちの活動を知っていただきたい。
・お寺と幼稚園経営している。子どもをどうやったら放射能から守れるか。
二本松市は原発か50キロ離れている。ホットスポットがたくさんあるが、支援がない。それぞれ、苦しみながら生活している。
・二本松の子どもたちを調べたら、17名検査で17名内が部被ばく。母乳からも放射性物質を検出。
・子どもの健康のために食品を検査。牛乳・明治のステップからも検出。明治と交渉したが、初めは「個人レベルの話」と取り合ってくれなかった。測定室とは別に測定してやっと認めて17万缶回収。
・それからマスコミも来て、明治を叩く。ずれていく。違和感がある。
農家も子どもたちも苦しんでいる。アパートのコンクリートからも放射能検出。 いろんな人たちが原発事故で苦しんでいる。明治も被害者。本当に悪いのは、まき散らしたのは誰か!
・二本松で測定:県の放射能測定器、高線量で機械が振り切るところがある。30マイクロシーベルト超えるところもある。すぐに除染すべきなのに、公園・校庭をやり始めたが、妊婦・子どもの家庭を除染するべきだがやれていない。
・息子からも娘からも尿からセシウムが検出されている。南相馬でホールボディカウンターで計った。
・二本松のホールボディカウンターは何千人待ち。子どもたちの内部被ばくを計る機械を導入してほしい。
・まだまだ子どもたちが高線量の中に生活している。うちは除染したので子どもたちは外で遊んでいるが、冬休み前の時点で、二本松でうちの幼稚園くらい 他は3月11日以降外遊びができない。
・行政の動きは遅い。全国の人のカンパで五百万で機械を買って9月から食品の測定。行政はやっと機械が届いた状況。保護者からは給食を図ってほしいとの要求があるが、手が回っていない。
・震災当初は福島県内産の牛乳ではなく大手のものを使った。しかし、9月から計ると福島県産の牛乳からは検出されない。稲わら問題以降、県内牛は規制で外国産のえさを与えていた。しかし大手の方がセシウム検出。
・図って初めて分かったことが多い。計ってみないと分からない。
もっと食品を計る機械がなければ子どもの安全を計れない。チェルノブイリやベラルーシでは学校ごとに放射線検査している。子どもを守るために、まだまだ機械が不足している。学校単位で計れるようにしてほしい。
・町の除染活動もしているが、なかなか進まない。
幼稚園の屋根が高線量で、高圧洗浄機で洗ったがとれず、冬休みに張り替えた。 0線量半分以下になった。一般住宅も屋根に降り積もり吸着している所はいっぱいあるだろう。せめて子どもの施設は屋根張り替え必要。補助はないか?外で遊べないので屋内を安全に。
・30キロ圏外は除染費用も行き届かない。保育園・幼稚園の経営者は悩んでいる。1割以上の子どもは県外に避難。郡山でも地区によっては 経営も成り立たなくて困っているところもでている。
・長期休暇中は、放射線量の低い所で過ごさせたい。子どもたちは毎日被ばく。免疫力も下がっている。浪江・飯館・南相馬では、3千人の子どもたち中に二十何人は甲状腺にしこりがある。千何百人以上、5ミリ以下のしこり。 「原発のせいではない」と言う。4・5年後に甲状腺がんが増えるのではと不安。
・セシウム:生物学的半減期 大人100日で排出。幼稚園児では30日だと言われている。長期休暇中は放射能のない所で、内部被ばくした子どもたちを外で思いっきり遊ばせたい。全国の方の受け入れがないとできない。県外行政の支援もあってのことだ。
・幼稚園では北海道に行ったが、道庁で支援してもらったので実現した。30万人の子ども、一人でも多くの子どもが放射線のない所で保養させられる仕組みがほしい。息の長い支援を福島に。
・宮城・岩手では「絆」がクローズアップされ、離婚率下がった。
福島:離婚率が上がっている。毎日親が喧嘩。放射能が理由。
マスクをつけるかつけないか それを食べるか食べないか・・・。いろんなことを選択しながら生活している。
父親が県内で仕事、母子は避難。両親の心が壊れるのではないかと心配している。毎日放射能の事を考えながら生活するのに限界がある。
・絶望感しか見えてこない。福島でもがいている。離婚が増える=子どもが傷ついていくということ。疲れた両親のケアも大事 ⇒長期休暇の県外ステイも。
・まだまだ復興は見えてこない。何十年もかかる。息の長い支援をお願いしたい。苦しんでいる子どもたちがいるということを忘れないでほしい。
・学校給食を食べている子どもだけ尿からセシウムが出た。原因が特定されているが、なかなかいろんな仕組みの中でスムーズに事が進まない。
Q 農協で検査しているのではないか?
A 現時点すべての食べ物を計っているわけれはない。例えばリンゴ300本の木で計ったのは3個だけ。たまたまサンプルが基準値以下なら流通し、セシウムが出たら出荷停止。きちんと図れていない。
Q 茨城県では12月議会で250万円の機械の予算つけた。福島の議会は?
A いつからどういう機械で計るか分からない状況。毎月お母さんたちと要望書を出している。早急に図っていただきたい。国の復興庁の出先ができる。重点的にやると言うのだから、しっかり声を出すことが必要で、できることは一緒にやる。
Q 山形には、1万3千名が福島から避難している。ゲルマニウム型民間も合わせて8台。シンチレーションも7台で牛肉も検査。福島の体制は?
A 入っているのは入っている。初めはなかな計れず、水は山形に持って行って図ってもらった。間に合う数ではない。原発のあるところはしっかり持つべき。民間でゲルマニウム検察器を今度買う予定だが、1,600万円。
Q 福井には4台(民間も合わせ)持っていて1台追加した。被災地から福井に持って入ろうとすると、出したところの責任だと言って、福井では計ってもらえなかった。発生源責任と言われるが、全国的に支え合う仕組みもいる。
A 発注して1年たっても届かない状態。山形は7台、茨城は一番多く10台以上。
Q ホールボディカウンターは?
A 10台、椅子式、寝て図るなどいろいろある。原発や県立大学などにあるが、二本松はない。簡易式で4000人待ち。いつ計れるかわからない。バックグラウンドの線量が高いので苦慮している。測定器そのものが汚染されている。クリーンルームが必要だ。ホールボディカウンターは5000万円。子どもは自覚症状がないのできちんと図りたい。
Q 関西、尼崎・宝塚などでも給食測定の動きがある。目に見えないので不安があり、保護者からのアクションに応えてのことだ。遠方の動きに関してどう感じるか?
A 福島が遅いと感じている。食べ物に関してはいろんなところに流通。海の魚はどこでも出ると予想。全国で図るべきだ。チェルノブイリでは500キロ離れていても被害ありと原発反対派は報告している。
新潟・山形でも給食を計り始める。
除染作業で線量計をもっていないことがある。
放射線測定は、バックグラウンドが線量の低い所でなければ正確に計れない。 自腹で測定員を一人雇って民間の線量測定所を運営している。
二本松は0.5~1.0以上。通常0.05~0.06。桁が一つ違う。
1日 5~10検体計っている。1検体3000円。1000秒で10ベクレル計れる。
山形では、ゲルマニウムは1検体2万円かかる。